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【VOL.93】 冬、楽しんじゃいました・冬を楽しもうじゃない会体験取材編


 ベテランたちのかけ声とともに積み上げられていく重さ80?の氷塊。水で溶かしてシャーベット状にした雪を、すかさず氷の隙間にすりこみ、固定していきます。「焦らなくていいよ、怪我するから。マイペースでやんな」。新参者のわたしにそう声がかかります。ここは栄町公園B面、くしろ氷まつりのメイン会場。市民製作のボランティア「冬を楽しもうじゃない会」による滑り台づくりの真っ最中です。「仲間と共通のもの1個作るというのは、すごい充実感があるんだよな」。会長の佐々木良造さん(57)の言葉が、汗まみれの私の身体にまっすぐに染みとおります。【―ということで、今回はじゅう箱記者・川島直樹の体験リポートです!】


子どもたちの笑顔、忘れられない…




 会の結成は20年前。「あの頃はみんな若かった」と佐々木さんは笑います。
 道のりは平坦ではありませんでした。人が集まらず、ひいひい言いながらやっていた時期もあります。長い間続けてこれたのは、作る過程が単純に楽しかったから。自分たちが楽しければ、自然と人が集まってくるはず。そんな思いにも後押しされたと言います。「毎年、まつりが近くなるとなんとなくそわそわしてくる」。氷像で遊ぶ子どもたちの笑顔が忘れられないのです。


交流の場としても



大工の小関博之さん(41)の場合、友達に誘われて顔を出し、今年で16年目。「最終日の打ち上げがあるから参加しているようなもの」と冗談めかして言いますが、「棟梁(とうりょ)」の呼び名で慕われ、素人ばかりの雪像づくりに技術的な裏付けを施してきたのはこの人です。
 さまざまな経歴の人たちが集う交流の場としても機能してきた同会。ここを通じて知り合い結婚したカップルもいると聞きました。


阿寒湖から力添え



 出会いは人と人との間にとどまりません。3市町合併を記念して、「阿寒湖氷上フェスティバル実行委員会」の力添えで、阿寒湖の天然氷を用いたイグルー製作に初めて挑戦することができた今回は、会にとって転機の年と言えそうです。氷像雪像づくりの大先輩である阿寒町のみなさんの仕事ぶりを間近で観察できたのは大収穫。「氷上結婚式にならって、氷まつりのイグルー結婚式をあげるのはどうか」「そうだチャペルも氷で作ろう」。町同志の交流がきっかけとなって、早くも次を見据えた企画が生まれています。


雪だるまが呼び込む人の輪



 そもそもの始まりは干支にちなんだ雪像製作でした。寅年を不利だしに順に作っていったものの、辰年で断念。当時の技量では龍には歯が立たなかった。そこで雪だるま作りに路線変更。これなら子どもでも作れます。量産がきくとなると次なる着想へ。栄町公園だけに置くのはもったいない。駅から会場までを雪だるまの家族で飾り立ててしまおうと、デザイナーが本業の小川光雄さん(54)。
 この案はすでに実現。あとは、北大通のあちらこちらに、子ども雪だるまが増えていくのを見守るだけ。雪像が結ぶ輪によって人の和を呼んでいけたなら、こんなに素晴らしいことはありません。
 かくゆう私も、すでにこの輪に呼び込まれていく一人なのでした。


雪だるまのカンタンな作り方!



 @バケツに水で湿らせた雪をぎゅうぎゅうに詰めるA設置したい場所を決めたら素早くバケツを逆さまにBプリン風に盛り上がった雪塊が雪だるまの胴体Cこれを土台に、湿らせた雪をペタペタ貼り付けていき、胴体を丸くするD同様に頭を作り、胴体と合体Eあとはお好み。目、鼻、口をつけて、帽子にマフラー、手袋、マントで飾り付けできあがり。

 「冬を楽しもうじゃない会」の問い合わせは0154-24-4036で―す
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