新年あけました!みなさん、元気に2006年をお迎えですか?さて、じゅう箱編集部では、新年ならではの活動を―ってことで、2日、「梯子乗り」の現場に潜入!釧路鳶土木工業組合(棟方彬会長)と釧路若鳶会(棟方達志会長)のみなさんの勇壮な技を、新年のごあいさつがわりに、オメデト・リポート!
「火消し」の伝統、今も
フィッシャーマンズワーフMOOに登場した、はっぴ姿もりりしい鳶(とび)職人の皆さん、20人余り。ふだんは高所作業場で活躍するみなさんが、新年は、日本の伝統の“技”で市内各所でひっぱりだこだ。
まずは、男らしい野太い声で「木遣り」歌。もともとは建築用の大木などを運ぶ力仕事を安全に行うための合図として使われていた「作業唄」だとか。建設機械が発達した今では、もう合図として使うことはなくなったけど、「新年にこの唄を歌うことで身が引き締まる」とは、もうキャリア30年以上のベテラン、水上宣弘さん(60)。
続いて「纏(まとい)振り」。鳥のように軽やかに、ゆっさゆっさと振り回しているが、実は重さ約16?。日頃の鍛錬がなければ、難しい技だ。纏といえば、江戸時代の「火消し」のシンボル。時代劇でも知られる名奉行、大岡越前が、1718年に定めた鳶だけで編成する「町火消し」が、そもそも、この伝統技の発端。そんな歴史、知ってた?
大梯子は手づくり!
ついに登場―6?30?の大梯子(はしご)。函館まで出向き竹を調達、会員で手づくりした一品だ。道内の鳶職人の会でも、自分たちで大梯子を作っているのは、釧路と札幌だけらしい。
命綱も、落下事故防止のためのネットもない中で、梯子のてっぺんに足だけをからませ両手を離して―と、見ているこっちがハラハラする技が続出。50種余りの技は、かつて、高所から火事現場を早く見つけるための火消しの秘技でもあったらしい。
「難しいだけに決まると気持ちがいい。伝統の継承っていうより、自己満足かな」とは、この日、難技を次々と見せつけてくれた桑島将康さん(25)。梯子乗り歴6年だ。斉藤慎之介さん(22)はキャリア2年、「まだまだ修行中―」と、はっぴの襟を正す。
「鳶は、義理と人情とやせ我慢!」と両会からの粋な自己紹介が場内に流れた。職人たちの、やせ我慢に、「今年もがんばるぞ―!」と背中を押される取材班だったのだ。
「支えがなければ梯子には登れない」
梯子の頂上での華やかな技が俄然、人目を引くけれど、職人さんたちは「一番偉いのは木遣り、次が纏振り、そして梯子を支える者。乗り手は一番最後。支えがなければ梯子には登れないから」と言います。この日の梯子も12人で守っていました。街を支えるスミな人や活動にしっかり目を向けていこう―とその姿に改めて誓ったのでした。じゅうスミHPは
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