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【VOL.82】 なかしべつ物語編・ここはマチのおもいで銀行


 土曜日の昼下がり、ここは中標津町。古びた洋館のホールで頭を寄せ合う男達の影。何の相談?、囲んでいるのは古い木の板だ。約60年前の漁船の設計図が書かれているとやら―。まるでガキ大将の相談の様に大の大人が頭を寄せ語り合う。のぞいたのは、町内桜ヶ丘の伝成館(旧根釧農業試験場)で10月から始まった「語り部講座・なかしべつ物語」。今回のテーマは「木」。講師は町内の現役大工さんだ。人の声を通し歴史を学び「まちのおもいで銀行」をつくろうと始まった、中標津発の物語だ。

大工さんから「木」の物語




「この町の原野では満月の夜に月の光で虹が見えるんです。昔話だと思っていたら今でも見えるらしいんです」
 そんなファンタジーな語りで口火を切ったのは、この館を運営するNPO法人伝成館まちづくり協議会の飯島実さん(56)。前回の講座での『空』の話しを振り返っての言葉だ。
 この日の先生は大工の福沢守雄さん(54)。船の『板図』を前に「船を作るには板を曲げる角度が肝心。それを誤ると全部がダメ。だから浜を歩く渡り大工たちは自分が作った船の脇の板を抱えて売り込みに歩く。定規がわりに角度を合わせて作るんだ」とかつての船大工の姿を語る。
 木の話題は広がり「昔はこの辺りにもヤナギの大木があった。そばの『のべ板』もヤナギで一枚物ができたし、マッチ棒も作ってた」とは82歳の語り部、房川喜延さん。


82歳語り部とITの共演?!




 昔話しに合わせて飯島さんがパソコンを操作すると、町内の昭和の姿を航空写真で再現する地図が画面に表れる。「語り」とITの共同作業で町の歴史がみるみる蘇える。
 そもそもこの館が歴史の蘇り。昭和2年建設。当時では先駆的な鉄筋コンクリートの建て。道の根釧農業試験場としての役目を終えた一昨年春、保存運動を続けてきた地元の皆さんがNPOを作り、活用を始めた。建物を残すだけじゃなく「人の物語として歴史を残す場にしたい」というのが皆さんの願い。どうりで、語り始めた物語はなかなか終わらない。

「人の物語」を残したい



 参加者の一人、串山明朗さん(50)は名古屋からの観光旅行中に中標津に定住して14年。今はこの館の欠かせない常連だ。
 「よそ者ですが皆さんの語りを聞くうちに、ず―っと前から住んでる気分にになれる。それが何より嬉しいですね」
 長老の房川さんは言う。「開拓の歴史があるから今がある。それを忘れた
町は栄えない。だからわたし達は語っていくんだ」
 小さな『おもいで銀行』に、この日も沢山の『語り』が預けられた。



語り部講座「なかしべつ物語」は毎週土曜午後1時半から。「館の歴史も解説します!」とはNPO法人伝成館まちづくり協議会の紺野弘毅さん。中標津高校横の白樺並木が目印。問い合わせは0153-73-4301へ。同協議会の飯島実さんは「じゅう箱のスミ」9号にも登場!「ふしぎヒコーキ」って何?釧路新聞社、市民活動センター、信金管内各支店などで無料配布中です。じゅう箱HPはhttp://jubako.web-p.jp
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