大草原にくっきり映える緑の軽トラック。風に乗って甘くて芳ばしい香りが漂ってくる。小さな窓をノックすると出てきたのは焼きたてクレープとちょっとはにかんだ2つの笑顔。別海町西春別の掛水孝さん(38)、いつ子さん(41)。東京からお二人が別海町に越してきたのは今年3月。都会から遠く離れた北海道への引っ越しを決意し緑に塗り替えた軽トラの壁に描いた文字は「Happy Muffin Project(ハッピーマフィンプロジェクト)」。どんな「幸せ計画」がこもっているのかな。標茶町多和平の大草原からリポート!
「情熱が傾けられることを仕事に」
東京時代、北海道には旅行でよく訪れていたお二人。雄大な自然やタンチョウの美しさに惹かれ「いつか暮らしたい」と思い始めた頃に知人のつながりで舞い込んだ別海町の借家情報。
「東京での仕事も好きだったけど、このまま定年でいいのかな、もっと単純に好きなこと、情熱が傾けられることを仕事にしたいな」(孝さん)とチャンスに飛びつきプロジェクトを実行に移した。
孝さんは、この冬から念願のスノーボードのインストラクターを務める予定だ。ただしそれを叶える夏場だけの仕事は―そうそう見つからない。だったら自分で作るしかないと考えた計画が焼きたてクレープ専門店。東京で孝さんは精神障がい者の福祉施設で勤務し天然酵母パンづくりを経験。いつ子さんはお年寄りの施設の厨房で食事づくりを担当。その上もともと料理好き。だからこの“転職構想”はとっても自然な流れだったらしい。
「ベースがハッピーだからOK」
この日、緑の軽トラが現れたのは標茶町の多和平カントリーフェスタ会場。ふだんは中標津町、標茶町、別海町の市街地に日替わりで登場している。「人の少ないところに行きたくて北海道に来たのに、人がいないと商売にならず人を追って移動販売している。なんか笑っちゃいますね」といつ子さん。「でも、やりたいことをやっていてベースがハッピーだからそれでOKなんです」とは孝さん。
将来の計画は「え―何だろ。毎日のことで頭がいっぱいでわかんないな」と声を揃える。緑の軽トラはしっかり“幸せ計画”を力走中だ。
この緑の軽トラは毎週火・日曜は中標津町川口薬局駐車場、水曜は標茶農協前、木曜が別海町西春別駅前農協前、金曜に別海農協前、土曜は中標津町マックハウス前に登場。無添加の自然素材にこだわったクレープにお二人の「幸せ計画」が詰まってるよ!
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