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【VOL.66】 ゲルであそぼう!編・民族文化発信に“裏方”アリ


 標茶町塘路にこの夏もモンゴル遊牧民の移動式の家「ゲル」がやってきた。始まったのはアイヌのムックリやトンコリ、モンゴルの民族楽器・馬頭琴に、ロシアはサハ共和国の口琴「ホムス」などなど民族色いっぱいの音楽のライブ。おやおや、モンゴルのダンスも登場だ。この国際色いっぱいの夕べは塘路口琴研究会・あそう会が5年前から行うイベント「ゲルであそぼう!」。真夏の草原でみんなを笑顔にしちゃう不思議な夜の仕掛け人たちを、ゲルの前からリポート!


ムックリから沖縄三線まで



 演奏会のトップはアイヌの民族衣装をまとった「あそう会」メンバーのムックリ。モンゴルの馬頭琴、沖縄の三線、オーストラリアのディジュリドゥ…とゲルを囲んでの民族音楽の夕べは、飛び入りも歓迎で続く。
 ムックリから始まり世界の口琴を研究する「あそう会」が、「気軽に民族音楽を楽しめる場を」と始めて今年で5回目。今では道内他都市や道外からわざわざこのためにやって来る人もいる。
 「演奏する方を支える役が好きなんです」と1994年の会発足以来、裏方に徹する標茶町塘路の安部ますみさん(61)。この日は受け付けに司会進行役、食事の用意…と大忙し。演奏のステージには一向に立つ気配はないが、各地から集まってくる常連さんたちも皆、安部さんに声をかけてくる。どうやらこのイベントの陰の親分らしい。

珍しい―から民族文化



 「年に1回、ここで珍しい楽器が聴けるぞ―ってとこから自然に、色んな民族に特有の音楽があるてことを知ってもらいたいですね。他の民族も知ることで地元のアイヌ文化の価値も分かると思うんです」とは会長の諏訪良光さん(57)。
 このイベントの“顔”はゲルともう一つ、羊料理だ。スープに、串焼き、揚げ餃子―と出るわ出るわモンゴルの名物料理。提供しているのは白糠町のめん羊牧場「羊まるごと研究所」の酒井伸吾さん(33)。98年から1年間モンゴルで遊牧民と一緒に羊を追った。この日の衣装はモンゴルのおばあちゃんが酒井さんのために仕立てくれたものだ。
遊牧民との暮らしで最初に覚えた歌を、馬頭琴を伴奏に披露してくれた。あれ?モンゴルの雄大な草原が、塘路の星空の下に広がってきた。

「足るを知る」



 「ゲルの材料はモンゴル人の身近な物ばかり。羊の毛や馬のたてがみ、ラクダの革とかね。モンゴルでは『足る(たる)を知る』って言うんです。身近なもので十二分に足り豊かなことを知る―という意味。そんな精神も伝えたいですね」。
 夜通したっぷり遊び、次ぎの日には静かに姿を消すゲル。また会えるかナ。来年のカレンダーに早くも印をつける取材班だった。



口琴やってみない?




塘路口琴研究会「あそう会」では、このイベントの開催のほか、ムックリなど世界の口琴の演奏についての研究もしています。世界的な口琴の国、ロシア・サハ共和国との交流活動も続けています。入会は随時受け付け中。問い合わせは諏訪さん090―9516―2726へ。8月上旬発行予定の「じゅう箱のスミ」8号にも登場予定です。お楽しみに!8号に掲載希望の活動情報募集中です。pippara@marimo.or.jpか090―1644―3855まで。
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