チャレンジ隊の 人・声・街 をつなぐサクサク情報おしゅ〜ゆマガジン
チャレンジ隊のやる気発見企画!! 釧路新聞版 週間じゅう箱のスミ

E-mail:>HOMEじゅう箱のスミWeb>週刊じゅう箱

【VOL.61】 ジスイズ36周年編・来る人がつくる空間


 とある日曜日の夜、釧路市栄町のジャズ喫茶ジスイズの扉を開ける。全国の音楽通の間では「伝説のジャズ喫茶」として名高いこの店だが、カウンターには暗い店内に似合わない程、笑顔が並ぶ。このあったかさは何だろう。「ここは来る人皆が作る空間。“自分の店だ”とわたしが思った瞬間に崩壊するんです」とは店主の小林東さん(61)の言葉。25日に迎える36回目の開店記念日を前に、ジャズを超えるもう一つの伝説をリポート!


ジスイズ歴36年




 「人生の中で、家よりここにいる時間の方が長い」と言う尾高猛さん(57)。栄町公園までガンガンと響いたジャズに誘われ、開店から1カ月後、初めて足を踏み入れた。20代の頃は店主の小林さんが怖かった。レコードを「貸してほしい」とどうしても言えず、椅子の下に隠したテープレコーダーでこっそり録音した。そんな“怖い店主”の店に36年間、週に3日から5日は通い続けている。
 「マスターが色んなことに挑戦する生き方自体がジャズのリズム。それに誘われて集まってくる人たちがいる。自分はどう生きてるかな―ってここに来ると考えて、負けられないぞって気になってくる」
 カウンター奥の壁には塗装が剥げ落ちる程、無数の画鋲の後。開店以来、地元の音楽や文化活動のチケットやチラシを一手に預かり、発信役を担ってきた足跡だ。

ギタリストからカメラマン?



 この晩、20代からの常連客、遠藤雅幸さん(55)が自慢のハイビジョンカメラで撮影した「ジスイズ2005年上半期ライブ」DVDの上映会が行われた。本番さながらの映像とサウンドに沸き上がる拍手に「うまい?」とおどける。かつてはギタリストとしてこの店でライブを行った1人だ。
 「ここは青春の場所、ここで音楽への考えが変わった。カメラをまだまだ勉強して、もっと上手くライブを撮ってやる!」
 この晩は上映会のために自宅からテレビまで持ち込んだ。実はこの店、ピアノも照明も椅子も、店内の備品のほとんどが客の持ち込み。確かに店を皆でつ作っている。

自主企画ライブに挑戦者も!



 大学時代から通う山谷真悠さん(25)。今ではライブのサポートスタッフとして欠かせない存在。実は小林さんは自分の父親と同じ年だ。
 「親程に年が上なのに対等に話してくれる人はなかなかいない。マスターに刺激されて、人との出会いもぐーんと広がって、やりたいことも広がりました」。12月には初めてライブの主催に挑戦する。全国にも名高い伝説の店が育てる街の小さなやる気が、新しい伝説への種を静かに育てている。



発信基地で会いましょ―!!




ジャズに限らず地元の音楽、演劇、美術、文学などさまざまな文化活動の発信基地を担ってきたジスイズ。7月16日午後7時30分からは「じゅう箱のスミ」7号の特集で紹介した「有岡しゅ―じ」さんのライブも行います。ワンドリンク付き2000円。問い合わせは22―2519へ
前のコラムへ次のコラムへ
【コラム・インデックスへ戻る】

Copyright© 2001-2005 Challenge Network Vollunteer Action All Rights Reserved. 不許複製