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【VOL.53】 アラジンマジッククラブ編・笑顔でつくるほんわかマジック


 1本の長いロープがあれっ?いつの間にか6つの輪に。あれれっ?今度は、どこからかハトが飛び出したよ。絶妙のトークと時々ちょっぴり危なっかしい天然ボケも続出の手品で、1時間余りもの間わたし達取材班を横っ腹が痛くなる程楽しませてくれた「くしろアラジンマジッククラブ」の皆さん。手品といえば余興―って軽んじたら大間違い。1972年生まれの、30年を越える伝統ある会なんだ。どうりで面白さの奥が深い!こんなショーマンシップがこの街にあること知ってた?


「子どものため」からボケ防止?!



 取材班が差し出した名刺を「これ両面に名前が入ってるよ」と裏表にひっくり返す。あれっホントだ?そんなはずないのに!「違った違った両方真っ白」ともう一回裏表にひっくり返すとホントに両面真っ白。なんでぇ!―いきなりトリックを見せつた遠藤哲郎さん(67)。ショーでは、カギのかかった箱に閉じこめた美女と入れ替わる大技「イリュージョン」を披露した。手品歴は30年。
 「子供が小さかった時に学校で見せてやりたいと思って始めたんだけど、今はボケ防止(笑)。舞台の緊張感がたまらないね。失敗もするけど、お客さんにはわかんないよ」と豪快に笑う。さすが、マジシャンは失敗を怖れてはいけないのだ。

ギャラはしぼりたての牛乳



ショーが行われたのは16日。浪花町十六番倉庫の開館5周年を祝うパーティー会場に5人のマジシャンがやって来た。「ミスターマリックもびっくり」と銘打った超能力マジックで会場を沸かせたのは江良一則さん(70)。
 「始めたばかりの頃、小さい町や村の学校を回っては、下手なのに大した喜ばれて。しぼりたての牛乳や自分たちが育てたじゃがいもを焚いてごちそうしてくれるんです。嬉しかったな。今の方がテレビやゲームとか楽しむ物が周りに沢山あるから見る目も厳しくて緊張するなぁ」。
 いえいえ、この日のパーティーもおかげで和気あいあいのいいムードに。ショーの途中で帰る人がいなかった!これはかなりスゴイかも。記念日を皆でゆっくり楽しくお祝いする素敵な会にしてくれた。これもマジック?
 会長の木村隆夫さん(64)は1986年にテレビ朝日の「輝け、日本一マジック大賞」という番組でグランプリを受賞した「日本一のマジシャン」。でもそんな肩書きよりも、お客さんと楽しく掛け合う姿が格好いい。


手が震えてネタ落とすまで



 「障がいを持った人も子供もお年寄りも、手品には皆が笑顔を見せてくれる。それが嬉しいな。手が震えてネタを落としちゃう寸前まで続けたいね」と木村さん。
 笑顔をつくるほんわかマジック、あなたもかかってみませんか。




マジシャンになろ―!



 ただ今、会員は10人余り。福祉施設や保育園、幼稚園などを訪問しては皆を笑顔にしています。新規会員大募集中!毎月第1と第3木曜日の午後7時から釧路市の交流プラザさいわいで練習しています。あなたもマジシャンになれる!出演依頼も歓迎。問い合わせは木村さん090―1640―1674へ。
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