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【VOL.52】 虹の光・ひつじ工房編・母さんたちが「七色の光」


 色とりどりのかわいい羊毛グッズが並び、コーヒーの香りが漂う店内。ここ「虹の光ひつじ工房」は昨年9月にオープンした知的障がいを持つ方達が働く場所だ。2階が作業場、1階が喫茶と展示販売コーナー。あれれ?ナンダロウ。ついつい手に取ってみたくなっちゃうカラフルなまあるいもの、白くてふわふわしたもの、これなあに?って思う物があっちにもこっちにも。どんな人たちが作っているのかな?面白アイディアの舞台裏をちょっと拝見!!


得意なことでお手伝い




 作業場では皆でワイワイとお仕事中。メンバーさんは現在20代から30代の5人。その作業をボランティアさんたちが支えている。羊毛のかたまりを慣れた手つきでみるみる座布団に仕上げている大山アイさん(78)は、週2回ここでボランティアとしてその腕を披露する。
 「だって昔は皆、家で座布団作ったんだもん。これくらいできますよ」と心強い。


宣伝隊長、売り込み大作戦!



 白くてふわふわのタンチョウの置物、こちらも羊毛を使ったアイディア商品。釧路空港や鶴公園、札幌の京王プラザホテルでも売っているそう。これってスゴイ!
 「あちこちに売り込みに走り回ったの。福祉関係のイベントだけじゃなくて一般の方達にも買ってもらいたい。いい商品だから。一個でも多く売ってこの子達のお給料増やしてあげたいしね」。代表の藤原勝子さん(63)は工房の頼もしい宣伝隊長だ。その思いつきと行動力は誰にも真似が出来ないくらいアツイ。
 「座布団をあるバス会社に売り込んだの。沢山買ってもらえて嬉しくて羊毛の量をサービスしたつもりが、大きくなりすぎてちょっぴり使いにくいんだって!失敗?!」
 羊毛などの材料は良い物を安く―が鉄則。布はインテリアのお店から譲ってもらった型が古くなったカーテン生地というから、そのやりくりの腕には驚く。これもみな藤原さんがあちこち走り回っては「もうひと声!」と茶目っ気たっぷりな笑顔で交渉したたまものだ。


「どの子にも幸せに」



 毎日足しげく通う一色光子さん(77)。ご自身の娘さんも障がいを持っているという。
 「どの子にも幸せになってほしい。だからここでのお手伝いはとても自然なこと。私は子どものおかげで良い経験をさせてもらってます」
 10人余りのボランティアさんたちの平均年齢は60歳はとっくに超えている。こんなあったか母さん達に支えられたら、メンバーさんたちも生き生き成長するはずだ。
 帰り際、喫茶コーナー担当のメンバーの1人、クミちゃんこと及川久美さん(27)がいれてくれたコーヒーがびっくりするほどやさしい味。あったかい七色の光に包まれた工房だなぁ―ってうなずく取材班だった。




のぞいてみよう!虹の光



 虹の光ひつじ工房は月曜日から金曜日の午前10時から午後3時まで。喫茶コーナーのオススメはピラフセット(スープ・コーヒー付き500円)、いもだんご(150円)、夏はそうめんもあるんだって。問い合わせは22―3244。
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