3月のとある火曜日、交流プラザさいわいのホールにすごい人だかり。知的障がいを持った方たちに働く場を提供している釧路市の共同作業所「すてっぷ」と「すてっぷとっとり」の合同バザーだ。売り上げは作業所運営にあてる大事な収益事業。ここにも、いたいた、地道にしっかり支えてくれているボランティアさんたち。ほとんどの皆さんが作業所設立以来、9年間も支援を続けてくれている。通所するみんなの成長を見守りながらエールを贈る、優しい助っ人さんたちだ。
設立からず―っと通って
「こんなのどう?新品同然よ」とオススメ品を広げるのは、十文字道子さん(70)。すてっぷが設立当時から月に2回、通っている一人だ。
退職後、余裕ができた時間を何かにあてたいと受けたボランティア講習会をきっかけに、すてっぷ代表の伊藤厚子さんら知的障がいの子どもを持った親たちの作業所設立の活動を知った。今担当する主な作業は、提供された布を使って、バザーなどで販売するエプロンや小物などを縫うこと。色んなところで見かけたすてっぷの布製品は十文字さんが縫っていたんだ。
「活動がだんだんと広がって利用者も増えて、頑張ってるな―っていつも後ろで声援しています。大したことはできないけど、せっかくここまで見守ってきたから、皆の成長、見続けたいですね」(十文字さん)。
クッキー焼いて、小物も縫うよ!
2組の親子から始まったこの作業所、現在は18歳から57歳まで16人が通っている。その活動を支えるのが約20人のボランティアさんたち。すてっぷ自慢の手づくりクッキー、利用者さんが一つ一つ丁寧に型抜きしたクッキーを焼き上げているのはこうしたボランティアさんたちなんだ。
こっちが元気もらっています
淀川敬子さん(54)も設立から支える一人。「今では通うのが習慣。最初は職員もいなかったので必要とされていることを実感して来てましたが、気づくと自分が与えてもらっている事の方が多いです。色んな人生があるけど頑張っている姿を見て、こっちが元気をもらっています」。
佐藤八重子さん(55)はここに通うまでは障がい者と接したことはほとんどなかった。「最初は正直、こわいな―って思ってしまったんです。だんだんそんな気持ちはなくなって、今は皆とどう違うのかが逆に分からないくらい。ここに来なければ、そんな変化はなかったでしょうね」。
あったかい応援に支えられて開いたこの日のバザーはなかなかの盛況ぶり。「こうして買い物に来てくれることも、わたしたちにとっては大きな支援。地域の協力があって運営できているんです」と伊藤厚子代表は混雑する会場に目を細める。
すてっぷのみんなとボランティアさんの記念写真をパチリ。みんなの笑顔がとっても輝いていて、ちょっとうらやましくなる取材班だった。
すてっぷで待ってるよ!
共栄大通の「すてっぷ」ではボランティアさんが焼いてくれたクッキーのほか、カレーライス(350円)、いもだんご(100円)などの軽食も人気!営業時間は午前10時から午後3時20分まで。毎月、第2、第4土曜日の午後6時からはお酒の飲める「夜のすてっぷ」も!チャージ300円ですが、身障者手帳、療育手帳持参者はチャージなし。飲み物はオール300円!問い合わせは24―1824へ。
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