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【VOL.48】 なつかし館“蔵”編・蔵のスミ


 旭小学校にやってきた大相撲、釧路商業高校野球部の甲子園出場パレード、繁華街にずらっと並ぶ映画館…などなど昭和30年代の釧路の風景をKOMくしろに蘇らせた「なつかしの釧路展」。開催したのは、市内で築90年の土蔵の再生に挑む市民団体「洲崎町なつかし館『蔵』を再生させる会」(高橋忠一会長)。黄色いジャンパーを颯爽と着る会場スタッフのみなさん、実は60代以上のまさに「なつかしの釧路」を実体験した方たちが中心だ。「シルバー」なんて呼んだら失礼。マチの足跡を生きた言葉で伝える伝道師を発見!



かかわったらやるしかない



 市内材木町で私設郷土史料館「なつかし館」を開設する中野吉次さん所有の築90年の土蔵の再生に協力しようと、市民大学で郷土史を学んだ受講生を中心に発足した同会。現大町、旧洲崎町の「蔵」は昨年春に史料館としてオープン。冬場は休館中だが、この日は中野さん所蔵のなつかしの生活雑貨や、昭和初期の地図、新聞記事などをKOMまで持ち込んだ、さながら「出前・なつかし館」。会員が「高齢者中心」なのが悩みの種と言うけれど、いやいや、展示品の搬出入から解説まで、若者顔負けの元気でこなしていく。
 「もう記憶に残っていない10代やもっと小さい頃の街の様子も分かるのが面白の」と伊戸川ヨシ子さん(65)。
 自宅は入船町。「蔵」の前は長年の通勤路だ。市民大学がきっかけの本人曰く“偶然の”参加。とはいえ、毎日「ずいぶんボロボロになったなぁ」と眺めてきた蔵の再生に、「かかわってしまったらやるしかない!」と、事務局として奔走中だ。

丸三鶴屋で盛衰体験




 事務局長の木村浩章さん(64)は釧路隆盛期のシンボル、百貨店の旧丸三鶴屋で30年余り勤め、北大通の盛衰を身をもって体験してきた。
 「丸三鶴屋がなくなった後も、何で北大通の商売はダメになってしまうのかなぁ―って思いがずっとあった。中心街の足跡をたどりたいと思うようになったのは自分の疑問に答えるためかな」(木村さん)。

リヤカー屋台でほろ酔い



 「昨日ね、ここに“イロハのけんちゃん”が来たのよ」と、少女のように幼なじみとの再会を喜ぶ園田幸枝さんは73歳。末広で育ち三味線の音色が情操教育。教員となり旭小学校で勤務していた頃は、帰りは学校からまっすぐ歓楽街のリヤカー屋台へ。園田さんの「なつかし話し」を聞いていると、当時の様子が映画のようにどんどん目の前に浮かんでくる。
 「話してるこっちの頭にも昔の光景が蘇ってきて、自分のふるさとに帰ってきたんだ―っていう気分になるの。まぁ、年寄りの生きがいですね」と見せる笑顔はやっぱり少女のようだ。
 蔵のスミで出会った語りべたちは、マチの歴史の生きた「お宝」だ



なつかしワールド、いっしょに作ろう!



 「洲崎町なつかし館『蔵』を再生する会」では、若いパワーの参加や、「蔵」を、活用した新しいソフト事業を募っています。今シーズンも4月末に開館予定。もちろん「なつかし世代」大歓迎。新年度は図書館の地域資料整理も予定。こちらも古き良き釧路の足跡をたどる作業だヨ。賛助会員は年会費2000円。問い合わせは木村さん41―5929へ。
 
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