街を元気にするって何だろう。『まちづくり』なんて本当にみんな考えてる?そんな難しく考えることないんじゃない!!みんなが、楽しく夢を持って過ごしているなら、そこが楽しく元気な街なんだから。―そう教えてくれたのは 、 街角で歌う若いミュージシャンたち。真っ直ぐに夢に向かってはりあげるような彼らの歌声が、通り過ぎる大人たちの背中に「夢、もってるかい」と、問いかけている。
「中学3年で初めて街で歌った。すっげぇドキドキしたけど、立ち止まって聞いてくれる人がいて手応え感じた。ぶつけどころほしかったんだ」。
中村智哉君、市内の高校の3年生。放課後、街角で週2回歌うようになって3年。今、市内で20組余りはいるというストリートミュージシャンの中でも古株だ。
『投げ銭』を蓄え続け、この春、初のCDアルバムを作成。3月末、札幌に乗り込み街角に立った。誰も知らない街で人だかりができた。持っていたアルバム12枚は完売。去年の夏には、東京のハチ公前の人混みにも一人で飛び込み歌ったというから、その行動力はオドロキだ。
「夢はプロ。っていうか自分の力を試したい。叶うかは別として、夢を持ってるからこそ、今が充実する」。
一方、そんな夢を、たった一人で応援し続ける『みんなのお母さん』がいる。「マザーズ・プロ」の林喜代さん。息子とバンド仲間たちの「思い切り演奏できる機会がない」という不満を何とかしてやりたいと、自費で中古の音響機材を集め、4年前から、浪花町十六番倉庫で毎月、ライブイベント「サウンドシャッフル」を主催する。音楽経験はほぼゼロ。親心が高じて飛び込んだ世界だが、4年間、1度も休まず毎月開催してきた。
参加バンドは、実数で100組を超えた。このうち毎回参加するバンドも多く、延べ数にすると、もう、かなりの数。中学生から、50代のおじさんバンドまで、汗だくになって演奏する。中村君も、1年間12回参加し続けた一人だ。「もちろん、プロが育てば嬉しいけど、みんなが、ここで汗だくになって楽しんで、職場や学校であった辛いことも吹き飛ばして元気になってくれれば、それが一番かな」と林さん。「わたしもね、辛いこと多いけど、これがあるから頑張れるの!夢はね、ライブハウスの開設!」と明るく笑う。
高校の友人から「夢があっていいな―」とよく言われるという中村君から一言。「オレにしてみたら、みんなすげえもの持ってる。でも例えば、隣のヤツの弁当って不思議とうまく見えるんだよね。ホントは自分の方がよくてもさ。『みんな、まずは自分の弁当食えよ!』ってオレは思うね」。
あなたの夢、ちゃんと育ててますか?
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