人と人とのつながりって、アイディアや夢をふくらますんだ
強い日差しが照りつけるなか、三味線や尺八の音色がにぎやかに響き渡る。これは、お祭りではなくて、阿寒町のお年寄りのグループホーム「和の里(なごみのさと)」でのちょっとした演奏会。仕掛けたのは「地域ふれあい友の会」のみなさん。この会、子どもから大人まで、マチの名人を集めてはアチコチでこうした演奏会を開いているらしいんだ。目的は人と人とをつなぐこと。どんな「ふれあい」を生んでいるのかのぞいてきたよ。
自分もみんなも楽しめて、一石二鳥
「自分の好きな民謡や踊りをもっといろんな人に楽しんでもらえたら、自分も人も楽しくて一石二鳥!」と明るく話すのは、地域ふれあい友の会の代表・釧路市の田村重市さん(54)。
もともと秋田民謡好き。仕事で老人施設などに立ち寄ることが多く、その楽しさを施設のお年寄りたちにも届けたいと、活動を始めて5年。最初は自分の趣味に走り過ぎてお年寄りの反応はイマイチ。「ソーラン節」や「秋田おばこ」など、誰でも知っている曲なら一緒に楽しめるとだんだんわかってきた。今では、会員11人で、釧根管内の老人施設などへ届ける企画は、民謡・落語・手品など、年にナント25回にも及ぶらしい。
人のつながりって面白い!!
会の活動はちょっと面白い。出演するのは自分たちじゃない。施設や団体などの依頼に合わせて日程・プログラムを企画する。いわばプロデューサーだ。
「頼まれて初めて企画できる。出演者を探し、頼むことで、人と人とのつながりを作るお手伝いもしているんだ。人と人とのつながりは、アイディアを生み、夢がふくらむよ」と田村さんは次々と生まれるアイディアにワクワク。次の依頼にはどんなカタチで応えようカナと、日々楽しみながら企画を練り込んでいる。
7月18日、2つの民謡や踊りの団体から総勢12名の出演者がずらり、グループホームのお年寄りたちの前に勢ぞろいした。
一緒に楽しみ、ふれあえる
「声もいいね、音楽もいいね。自然に体が動いて楽しくなるんだ」と入居のおばあちゃんの一人。みんな民謡を聴きながら泣いたり、笑ったり。いつの間にか手拍子も聞こえてきた。
「お年寄りの間近で踊っていたら、身内のような、家族のような、身近な間柄のような感じがした。お母さんやおばあちゃんのようなふれあいだった」と創作舞踊を披露した梅川希納実さん(56)は嬉しそうに話してくれた。
田村さんが「一石二鳥」を狙った楽しみは、もっと大きな笑顔の輪に広がっていた!
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