2月13日、「なかしべつふゆまつり」(同実行委員会主催)は39基の雪像、フリースタイルスキーのショー、牛肉、豚肉など地場の美味しい味覚にすごい人だかり!会場をひときわ盛り上げていたのは場内に流れる軽快な音楽とDJ。実行委員による「ふゆまつり放送局」だ。開局したのは10日前。毎晩、寒さと闘いながら雪像づくりに励む人たちを盛り上げよう―という裏方さんたちへの心づかいが始まりだ。「まずはスタッフが楽しまなくちゃ!」そんな祭りの原点を中標津で発見!
雪像づくり、DJが応援
「けっこうリクエストも来てますよ」とはこの放送局の仕掛け人で実行委員の一人、中標津青年会議所副理事長の寺崎光義さん(37)。
一年で一番寒いこの時期、静まりかえった夜の会場で、毎日モクモクと雪像づくりを続ける人たちの作業を盛り上げようと場内放送「ふゆまつり放送局」を始めたのは去年のこと。音楽の合間に、交通情報や天気予報、新聞からの情報提供、会場からの声なども織り交ぜ、ラジオ番組さながらだ。機材は音楽が趣味の同会議所理事長の加藤泰和さん(38)の私物。
「北朝鮮とのサッカー戦の時にテレビを持ち込んで上映したんですけど、これは作業の手が止まっちゃって失敗(笑)」と加藤さん。
夢は屋台村
まつり会場でひときわ長い列をつくっていたのは木製の本格的なラーメン屋台。こちらも中標津JCのお手製。「どうせやるなら本物の屋台を」と、一昨年トンカチつくった一品だ。この本格屋台の物珍しさと、スープと味付け卵が絶妙な味へのこだわりも相乗効果でよその町からも出張依頼が来る程の人気だ。隣にはかわいいお菓子の家のような屋台。こちらはスープカレー屋台。こっちもやっぱり手づくりだ。
「町全体で『屋台まつり』ができたら―」そんなメッセージが2台の屋台から聞こえてきた。雪像づくりを支える「ふゆまつり放送局」も、いわば模擬ミニFM。イベントが、地域の新しい可能性を探る実験台になっているんだ。
言葉や企画書じゃなくて
「屋台を真似して作りたいって言う人がドンドン出てきたら嬉しいな―と思って図面はまだとってあるんです。町を元気にする方法を言葉や企画書じゃなくて、自分たちで行動して提案したい。それで初めて面白いかどうか分かる。それがいつか自分たちの手元を離れて町の皆の手で育っていくのが夢。次のたくらみもあるんですけど、まだヒミツ」といたずらっぽく笑う加藤さん。
真冬の中標津で見つけた『やる気』はなんだかアツイ。
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