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【VOL.39】 芸術館ボランティア編・小さなやる気で輝く“館”


 休日にたまにはゆっくりアートを楽しんじゃおうと取材班が乗り込んだのは道立釧路芸術館で開催中の「光のワンダーランド」展。親子連れで賑わう会場を静かに支える笑顔をここでも発見!1998年の開館と同時に発足した「芸術館ボランティアの会SOA」のみなさんだ。あったか―いコーヒーで心まで温めてくれる喫茶店、グッズ販売だけじゃなく観光案内までしてくれる販売コーナー、子供たちの遊びの広場もみんなボランティアさんの手で運営されていた。釧路川に映えるレンガ色の館を輝かせているのは、アートだけじゃなかったんだ。


ボランティアで喫茶店



 「もう6年間、毎週日曜日はここで過ごしてるんです」とは2階の喫茶店担当の及川悦子さん(61)。敬遠されがちな日曜日の当番を開館以来続けている。せっかくの休日をつぶしていいの?と思いきや「ここは陽当たりはいいし静か。釧路川を見渡す景色もきれい。ホッとするんです」と穏やかな答え。
 ぽこぽことあったかい日差しが差すこの喫茶店、店員はすべてSOAのボランティアの方たちだ。アートを楽しむだけじゃなく、みんながホッと寄り道できる“館”にしたいと名乗り出た人たちのあったかい手で運営されている。

親子で「1人分」



 この日カウンターで忙しそうにカップを温めていた渡部泰好さん(26)。よく聞くとSOAの会員ではなく、会員なのは一緒にカウンターに立つ母親の絹子さん。絹子さんが腰を痛めた半年程前から、当番の日に毎回付き添っているという。一時は立って歩くのも困難になった絹子さん。回復はしたものの一人分の当番の仕事をこなすのはもう難しい。泰好さんは絹子さんと一緒に「一人分」の仕事をこなすため、ここにやって来るという。
 「何度か退会を申し出たんですけど『困る』って断られて(笑)。家でずっと寝ていても憂うつになるばかりだし、ここでお客さんの笑顔を見るとやっぱり嬉しくて、続けさせてもらって良かったです。息子には迷惑かけてますけど親子でカウンターに立てるのも幸せですね」と絹子さん。この店のあったかさは、日差しだけではないみたいだ。

販売コーナーで観光PR?!



 展示会場横のグッズ販売コーナー。よく見るとここの店員さんの胸にもSOAの名札。来館者と同じ立場の方たちが、こうして“館”をあちこちで支えているんだ。
 北畠美恵子さん(60)は活動8カ月目。訪れた子供たちや、若者、時には旅の人たちとの会話から「エネルギーをいっぱいもらってます!」と話す瞳はホントにエネルギーいっぱいだ。
 「ここって意外と観光客が多いんですよ。だから釧路の名所や美味しいものしっかりPRしてます。そして、アラ私も街に貢献してるワって自己満足してるの」。
 川沿いの館を支える人たちの小さな“やる気”は、アートよりもっと輝く命をこの館に吹き込んでいるんだな



アートで仲間になろう!



 SOAにはこのほか美術関係の新聞記事などのスクラップを作る資料部、広報部の活動があり現在143人が登録しています。60代が中心なので、若い人は大切にされること間違いなし!芸術館の展示は活動日に無料で何度でも観覧できる特典はアートファンには魅力。入会は随時受け付け中。問い合わせは会長の大竹正さん(電話46―7071)まで。2階の喫茶店は火曜から日曜までの午前10時から午後4時30分まで営業中。こぶ茶がオススメ!
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