全校児童生徒たった7人の厚岸町上尾幌小中学校の学校祭で16日、体育館を感動の涙で包むスゴイ演劇が上演された。先生も総動員の舞台に助っ人として登場したのは釧路市の劇団「AtoM」のみなさん。人数が少なく本格的演劇に一度も挑戦したことがなかった子供たちを盛り上げようと発声練習から手ほどき。学芸会に出演するなんてもちろん初めてのことだ。取材班チャレンジ隊も舞台照明、バザー販売で出動。ほら、マチの人じゃなくたってすぐ仲間になれる。小さなマチの小さな体育館が新しい仲間と一緒に大舞台に変身した!
7人の学校で本格的演劇を
「今までウチらだけでこじんまりだったから、劇団の人から色んなアドバイスももらえて、ふだんは会えない人たちと一緒にできて嬉しかった!」。中学2年の久松小織さん(13)。本番後、熱演の感動も冷めぬまま、そう話してくれた。
厚岸町上尾幌小中学校(中村映之校長)は、小学生3人中学生4人の小さな学校。少人数では劇の作品も限られる。おまけに去年の学校祭の観客はわずか10人。もっと大きな作品に挑戦させたい。沢山のお客さんから拍手を贈ってもらいたい―。今回の舞台は、そんな学校祭パワーアップ作戦だ。
劇団が学校オールスターズに参加
演劇は初めて小中学生合同に。先生も演出の中納淳裕さん(32)をのぞく6人全員出演の学校オールスター総動員。助っ人の劇団「AtoM(アトム)」は台本を預かり、まずは釧路でけい古を重ねた。
「客演なんて初めて。目立たず子供たちを引き立て、でも劇団が参加して良かったと思ってもらえる演技をと自分たちの公演より悩んだ」とは代表の林正敏さん(30)。
そして本番に向け、メンバーの仕事が休みの土曜日にイザ厚岸へ合同練習に!
ピエロでウォーミングアップ?
「わざわざ来てくれるのに練習だけじゃ悪いなぁ」との中納さんの心配り?で、まずは2人の中学生と一緒に、パントマイムのプロとして活動経験のある中納さんの指導でピエロに変身。町内の保育園を突撃訪問した後、学校でけい古に入るというユニークなウォーミングアップ「ピエロ→けい古」コースを9月から10月にかけ3回実施!このコースの効果か、子供たちともかなり息が合ってきた。
本番当日。今年は会場に沢山のお客さん。公演終了後、大きな拍手をもらう子供たちの影でAtoMのメンバーは静かに舞台を降りた。「主役の子供たちが輝いてこそ自分たちの役割。小さな街ではこうした行事は大きな意味があるはず。その仲間に入れてもらえたことに胸がいっぱい。来年もまた来たいです」と高橋淳子さん(25)。
色んな大人がいるって知って
この一大企画の仕掛け人でチャレンジ隊も誘ってくれた中納さんは「家族と教師以外の大人に接する機会の少ないここの子供たちに、もっと色んな大人が世の中にはいることを知ってほしかった」と。
色んなマチに色んな子供たちがいること、わたしたち大人ももっと知らなくちゃ―そう実感した舞台照明のチャレンジ隊だったのだ。
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