若者たちの、胸いっぱいの涙と笑顔が4日、釧路市観光国際交流センターに広がった。障がいを持った人たちも、お年寄りも子どもたちも、誰もがふれあえる場をつくろうと毎年開かれている福祉イベント「釧路市ふれあい広場」(同実行委員会主催)。300人余りに及んだスタッフのほぼ7割が10代後半から20代の若者たち。初めてのボランティアにドキドキ、自分の力で成し遂げた何かに胸がアツイ、もっとデキルコトを発見した―そんな彼、彼女たちの瞳が、とってもまぶしい1日だった!
「会場を盛り上げようと、一生懸命になっているのが伝わった。かわいそうっていう気持ちが今までどこかにあったけど、間違いだった。僕たちの方がいっぱい助けられた」とは、福祉施設の利用者らが出演した演芸コーナーの司会を担当した市立看護学校の齋勝敏さん(21)。
目から涙がいっぱいあふれ出ていたのは同校の谷本裕美さん(18)イベント最後の会場全員でのダンスの振り付けを担当。これまで障がい者との関わりがほとんどなく、振り付けに障がいへの配慮が足りないと指摘されたこともあった。緊張で迎えた本番、会場に広がったダンスの輪には、子どもたちも、お年寄りも、車いすの方もいた。
「みんなが必死で体を動かして楽しそうに踊っている姿を見てすごく感動した。み―んな同じなんだってこと、そして、わたしにも何かできるってことが分かった!」。
知的障がい者が通所する「ひるがお作業所」の物販コーナに参加した道教大釧路校の篠原寛奈さん(20)は、1年前から毎月1度、通所者の余暇に、アウトドア活動などを一緒に楽しんでいる。「障がいを持っていると子ども扱いしてしまいがちだけど、やっぱり年上だからきちんと敬いたい。でも敬語の使い方が難しくて―。作業所や今日の物販で皆さんが頑張っている姿に、いつもこちらが励まされています」。
女性客に大人気のメークコーナーを担当した釧路専門学校の戸井奈津美さん(18)もこうした福祉事業への参加は初めで、最初は接客にも戸惑った。
「どうしてほしい―とはっきり言わないので、何をしたらいいのか分からなくって。でも、じっと向き合っているうちに、相手が何かを伝えようとしているのが分かってきて、だんだん気持が伝わってきました。それまで自分の中にあった障がいを持った方への壁が、少しとれた気がしました」。
この日会場に生まれた沢山の感動が、1日に終わらず、みんなの心の中で長く育っていくことを、「じゅう箱」編集部では願っています。
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