アダプティット・スポーツ=その聞き慣れない言葉は、障がい者スポーツのもう一つの呼び名だ。障がい者だから特別のことをするのではなく、競技方法や道具の使用、ルールなどをその人その人に合せて工夫することで、誰もが「同じようにスポーツを楽しむ」という考えを意味した名称。そんな素敵な考え方で、障がいのある人も、そうでない人も、いっしょに同じ目線でスポーツを楽しむ輪が、いま、少しづつ広がろうとしている。
「ぜんぜん特別なことではないんです」と語るのは、サンアビリティーズくしろで障がい者スポーツの指導員をつとめる高瀬勝洋さん。「障がいがあっても、なくても、スポーツは誰にとっても楽しいもの。障がい者が健常者と同じようにスポーツを楽しむための選択枝を広げることが、アダプティッドスポーツの考え方なんです。」
障がい者スポーツの目的は、
1。リハビリとして、
2。レクリエーション(生涯スポーツ)として、
3。本格的な競技会参加として、
と健常者同様さまざまだ。「特にレクリエーションとしてのニーズは、社会参加の機会の少ない障がい者にとって、社会と接する大切な機会になる」とのこと。
【1】電動車椅子サッカ
4人1チーム、キーパーなしの電動車椅子でやるサッカー。見たら思わず吹き出すほどのデカいボールは、なんと公式ボール。
【2】ボッチャー
オランダ生まれのスポーツで、もともと重度障がい者のためにつくられたが、サンビアでは障がいの有無に関らず、様々なバリエーションで楽しんでいる。どっしりとした革製のボールを使い、昔懐かしいビー玉当ての要領で、目標となる白ボールのできるだけ近くに転がしたチームの勝ち。相手チームのボールに当てて外に出したり、お互いの持ち玉を考慮した心理戦は、思わずはまってしまう。
【3】フライングディスク
円形のゴールを狙って10枚のディスクを投げて、ゴールに入った枚数を競う「アキュラシー」と、3枚のディスクで投げた距離を競う「ディスタンス」がある。見た目よりも、ず〜っと楽しいよ。
「指導員はキッカケをつくることはできます。でも、続けていってもらうためには仲間が必要です」サンビアでは、学生や主婦、社会人など約20名のサポーターと呼ばれる方たちが、障がい者をサポートしながら、仲間としていっしょにスポーツを楽しんでいる。「利用者とサポーターとのそれぞれの人間関係ができ、やる気が出たり、思わぬ効果が生まれることもしばしばです」
障がいのある人たちはここで、スポーツが上達する喜びはもちろん、スポーツを始めなければ知り合うことのなかった人たちと交流を持ち、世界を広げる喜びを感じている。それは、サポーターも同じ。「スポーツは、障がいの壁を越え通じあえる瞬間を与えてくれる素敵な手段だって、わかってきた」とは、サポーターのひとり篠原亜希子さんからの言葉だ。
サンアビリティーズくしろ TEL.0154-51-9865(小林)
4月5日釧新折込みの情報誌「じゅう箱のスミ-VOL.1」で紹介しています。
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