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じゅう箱のスミ

2006.JANVOL.10

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名人の引きだし

名人 File Number 010

凍れ薯(しばれイモ)名人

中標津町・酪農家 房川喜延さん

しばれ薯名人は・・・実は開陽王国の王様です。古い名刺をいただきました。

中標津の開陽台から転げ落ちると房川牧場にたどり着きます。

しばれ薯というのは、いわば凍結乾燥馬鈴薯、根釧原野の人々が大冷害を乗り越えた命の食です。

「秋に薯をトワイン(牧草をしばる紐)で縛り、軒先につるして凍結と融解を繰り返し、春になってからアク抜きを何度もしてからミキサーですりつぶして、袋に入れて冷凍します。
食べるには電子レンジで解凍、過熱して煮えたところで塩味をつけます。丸棒状にして1cmくらいの厚さに輪切りにして揚げると出来上がりです。

棒でのしてからガラスのコップを使って丸く抜き出すようにすれば形の揃ったものができます。中に紅生姜をいれたり、黄色いのはカボチャ、その他ヨモギやアイヌ葱を入れたら根釧原野名物になる・・・」と奥様といっしょに親切に作り方を教えていただきました。

遠く南米ペルーの中央アンデスの高地、インカでは紀元前から「チユーニョ」とよばれて毎日食べられていたことがわかりました。

かつては「チユーニョの無いスープなんて、愛の無い人生のようなもの」ともいわれ、石臼で粉にしたものを入れた肉入りシチューは4000mの高地に住む人々の体や心を温めていたことでしょう。

亜寒帯地域である根釧原野と赤道直下の高地とが、気温変化の大きさ、厳しい寒さと強い日差しのおかげで、共通の食材「しばれいも」でつながっているのです。(飯島実)


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