この企画は、釧路湿原自然再生協議会事務局の提供で、チャレンジ隊がこのまちの自然を考えるコーナーです。 |
ヤチボウズをモチーフにした作品。
Photo:工房前のシラルトロ湖を背に小川さん |
「釧路湿原を歩きながら耳を澄ますと、鳥の声や風のざわめきがシンフォニーのように聴こえてくるでしょ。夕暮れ時のコッタロ湿原の風景の中には、妖精の姿が思い浮かぶの。湿原は幻想の世界」
釧路市在住の創作人形作家、小川幸子さん(60)。日差しを浴び伸びをするように両手を広げる「やちぼうず」の妖精たち、ブルーのドレスで天を仰ぐアオサギの精…。釧路湿原のシラルトロ湖に面した小川さんの工房は、優美に、時にはくすっと笑えるコミカルな姿で湿原を表現する人形たちがところ狭しと並ぶ。そこはまるでおとぎの国。湿原って、こんなファンタジーな世界だったんだ。
紙粘土を使った創作人形を始め25年の小川さんが「釧路湿原の詩」をテーマにシリーズ作を手がけるようになったのは15年前から。そもそも釧路湿原ファン。それが高じて20年前、湿原を前に工房を構えた程だ。シラルトロ湖に沈む夕日、白鳥の大合唱、厳冬期に木々をまぶしく飾る樹氷―。工房の目の前で繰り広げられる自然のドラマを、人形たちに語らせてみたい―と思うようになった。
Photo:丹頂の舞いをモチーフにした作品。 |
一昨年には市内で湿原をテーマに個展を開催。大きな目標は道内外の「釧路湿原」の姿を知らない人たちにこそ、作品を見てもらうこと。
「ストレートに自然の大切さを訴えるだけじゃなく、芸術として表現することでまた違った分野の人たちに湿原の価値を伝えることができると思うんです。色んな入り口を作ることが、自然をみんなが身近に感じるには必要。『変わった人形だな、何だろ?』って思った人が、本当に妖精が見えるのか釧路湿原まで確かめに来てくれることが願いです(笑)」と小川さん。
大自然への小さな入り口―、開けてみませんか。
Photo:釧路湿原の撮影に挑戦する子供たち。(今年7月) |
人形を通した「釧路湿原」の普及活動を続けている小川さんは「釧路湿原自然再生協議会再生普及行動計画」、住民の皆さんによる「再生普及活動」に参加することを決めました。「一人の小さな一歩を、皆さんと一緒に自然の価値を伝える大きな一歩につなげたい」と小川さんは話しています。
参加活動の一つで、今年7月に鶴居村温根内と標茶町塘路で行った小中学生による自然撮影会「ジュニアフォトグラファーズ in 釧路湿原」の作品が、11月7日まで東京都の六本木テレビ朝日で展示されます。子どもたちもしっかり普及に貢献しています。この作品は、後日、地元でも展示予定です。
再生普及活動については下記ホームページでも詳しい情報を掲載しています。
問い合わせは0154-56-4646へ。下記ホームページでも詳しい情報を掲載しています。
釧路湿原自然再生協議会 http://www.kushiro-wetland.jp/
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