生まれて初めて20kmも歩いた。
今号の「釧路湿原4×1/4ウォーク」の取材でのこと。普段はもっぱら車が足。しかもどちらかというと体は虚弱。わたしにとってこれはスゴイことだ。
その日、取材の相棒が他の仕事で半分の10kmで帰ることになった。一緒に帰ろうかかなり迷ったが、歩き続けてみたくなった。
残り10kmも完歩できたのは一緒に歩いた恭子ちゃんのおかげだ。この日はボランティアレンジャーの会としての参加だがチャレンジ隊にも登録する大学4年生。出会ったのは1年生の時、話しをするのは久しぶりだった。探検部の仲間たちと自転車で九州一周した冒険の話し、高校での教育実習の時に感じた生徒との「ためぐち」と「教師らしい」話し方の使い分けの難しさなど、4時間近く、恭子ちゃんの学生らしい話しに耳を傾けながら湿原を歩いた。
何より嬉しかったのは、久しぶりに会ったわたしに、まるで毎日会う友人のように恭子ちゃんが色々話してくれたこと。だから足なんて全然痛くなかった。これも20?歩き続けたからこその収穫。そしてチャレンジ隊を5年間続けてきた収穫かなぁ―って幸せな気持ちでその晩は眠れなかった。
チューリップフェアで恒例の「くしろゆび相撲コーナー」を開いた。これも5年間続けている。集まる子どもたちもすっかり顔なじみが多くなった。そんな中に混じって「お久しぶりです!」と数人の若者があいさつに来てくれた。いずれもチャレンジ隊の登録者。最近はそれぞれ別の分野で活躍しているが「ゆび相撲」の幟を見つけて寄ってくれたらしい。相も変わらずゆび相撲を続けるわたし達と、成長していく若者たちの姿―そんなミスマッチの構図も嬉しく感じた。
そして、やまさんがやって来た。チャレンジ隊の盛り上げ役のやまさん。60歳を過ぎ病に倒れた。リハビリの甲斐あって回復した今も活動はちょっとお休み中だ。「家内が、ゆび相撲やってるから、なおちゃんに会いに行きなさいって言うから―」と恥ずかしそうに寄ってくれた。
また一緒にやろうね、ゆび相撲。急がなくていいから。わたし達ずっと続けてるからさ。続けてるからまた会える―だから歩いていこうと思う。
(じゅう箱のスミ編集長・チャレンジ隊代表・佐竹直子)
Photo:チャレンジ隊の佐藤さん(右)もボランティアレンジャーとして参加。20kmを元気に完歩!!
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