“じゅう箱記者”が追う、新聞記事のそれからの話し―3月末、104年の歴史に幕を降ろした釧路市立桂恋小学校。校長室を消防団の司令室に、職員室は地域資料室に、音楽室は町内会館に改装し、地域のコアセンターとして生まれ変わると聞いている。 「あれはどうなるんだろう…」と気になっているのが、校舎裏の隠れたシンボル「ひょうたん池」だ。子どもたちに魚や植物をじっくり観察してほしいという願いから、昭和42年にPTAが手作業で作った。 平成10年、開校100周年を記念し、PTAに、卒業したての中学生らも加わり大改修工事を行った。集まったのは2日間でのべ100人余り。池の周りの木枠は一本一本樹皮をはぐところから手作業だった。この池には住民の汗がたっぷり詰まっているに違いない。 学校は消えても池に残る住民の思い。5年前の改修工事を指揮した当時のPTA会長、小林恒男さん(46)は「皆で見守ってきた学校の足跡として、そしてマチから散歩に来た人が気軽に腰を下ろして自然を楽しめる場として残ってくれたら嬉しいです」とつぶやく。池の周りは釧路湿原さながらのミニ湿地でヤチボウズまである。まさにビオトープだ。 4月、学校から児童の姿は消えた。池がどうなるのかはまだ決まっていない。実は記者も卒業生の一人。この小さな池が地域の憩いの場であり続けることを願っている。(佐々木強) |
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