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じゅう箱のスミ

2005.NOV

VOL.06


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名人の引きだし

名人 File Number 006

なべ名人

城山達人倶楽部・高橋順一さん

名人が鍋のふたに手をかけると「待ってました!」とばかりに、中から旨そうにだしのきいた湯気がジュワーっと飛び出す。

「特別な材料は使わない。スーパーで買えるものばかり。だけど、安くても鮮度のいいものにはこだわる」。高橋名人は軽く汗をふきながら、言葉少なに語る。

城山商店街振興組合が住民の特技を地域活性化に役立てようと設けた「城山達人倶楽部」に登録。2月の「鍋料理講習会」で披露した特製海鮮鍋は、メンメやタラの魚介に、特製つくね、白菜や長ネギ、えのきだけなど野菜をたーっぷり入れたアツアツの塩味鍋だ。参加者を「絶品!」とうならせた隠し味は、どうやら持

したペットボトルの中にあるらしい。実はこれ、かつおと昆布の特製「合わせだし」。
熱湯の中に鍋が一面埋まる位にかつお節を入れ、20秒ほどですぐ上げる。昆布も鍋にふんだんに入れ、沸騰するちょっと前にあげるのがポイントだ。「だしをケチらないのがコツ」と名人。1時間ほど掛けてだしを作り、作り置きしたものを薄めて使う。この隠し味さえあれば大丈夫。しょう油と酒以外、調味料はほとんど使わない。

中学生の時、共働きだった両親に代わって自己流で作った料理が思いの外、好評だったのがきっかけ。今や名人の料理の引きだしはずいぶんと広い。城山達人倶楽部でのデビューは、握りずしをなんと300個。ラーメンは自分で麺から打つ。チャーシューはもちろん自家製だ。友人に料理をふるまうと「買ってきたのか?」と疑われ、そんな時はちょっぴり嬉しい。

本業は呉服屋で自宅が鶴ヶ岱。ご近所の城山歓楽街の飲み仲間からは「城山商店街に店を出したら」とラブコールも。「いつかは―」なんて夢も抱きながら、マチを料理で盛り上げる“順ちゃん”だ。(及川義教)


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