この企画は、釧路湿原自然再生協議会事務局の提供で、チャレンジ隊がこのまちの自然を考えるコーナーです。 |
「昆虫採集っていうと自然破壊ととられがちですが、本来の自然の姿、生態系を探って初めて、自然保護の方法が分かる。子どもたちが採集して絶滅する昆虫なんていませんよ」
自宅にずらっと並んだ昆虫標本を前にそう話す。釧路昆虫同好会は1982年の発足後間もなくから10年余りをかけて釧路湿原をはじめ、釧根地域の湿原のほとんど生息調査を行った。釧路湿原では温根内地区だけでも、クジャクチョウ、イイジマルリボシヤンマ、ハネナガキリギリスなど約2000種を確認した。しかしそれは一部にすぎず、実際は何万もの種が生息しているはずと同会では推測する。
「昆虫たちを追いながら湿原は決して単調じゃないことが分かった。水でジャブジャブの低層湿原から、高山植物が生息する高層湿原まで色んな顔がある。昆虫だけじゃなく、植物も動物も全部つながって湿原の顔ができているんです」と中谷さん。
「わたしたちの活動は自然を理解するための基礎調査として、自然再生の一端を担っていると自負しています。その思いを住民に伝えたい。自然を知らなければ再生はできない」。
自然への理解を広げるための一歩、あなたも担いませんか?
Photo:「虫も植物も動物も湿原をつくっている要素なんだ」と標本を前に釧路昆虫同好会の中谷さん。
釧路湿原自然再生をより地域に広げようと検討を進める「釧路湿原自然再生協議会・再生普及行動計画ワーキンググループ」では、普及活動を主催する団体、個人、企業などの登録を呼びかけています。湿原の昆虫採集はもちろん、周辺のごみ拾い、学校や学級の湿原を題材とした学習、湿原の大切さを伝えるコンサートやアート展、湿原につながる環境に配慮した企業活動など、湿原にかかわる活動をジャンルを超えて対象とします。マチじゅうに登録活動が広がり、自然再生が地域ぐるみの取り組みへと育つことを願っています。登録は無料、締め切りは4月22日。
問い合わせは(0154)31-4866へ
Photo:釧路町細岡ビジターズラウンジで湿原を前に不定期開催の「釧路湿原コンサート」、再生普及活動に登録しました!(写真提供・釧路新聞社)
釧路湿原自然再生協議会 http://www.kushiro-wetland.jp/
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