「自分でできるモン!」
小さい頃のわたしの口ぐせ。世話をやきたい父を冷たく突き放す可愛くない小娘だ。一人でやりたい、手なんて貸してほしくない。そんな性分のまま大きくなってしまった。ところが最近、一人がめっきり心細い。
「じゅう箱のスミ」に登場した人たちに会えるイベントを―と9月に行った「じゅう箱のスミまつり」。10数件の団体が、みそづくり、なつかし生活体験、カミネッコンなど紙面でも紹介した活動をその場で再現するステキなお祭りになった。
様々な団体が日常の活動を持ち寄る形式のイベントを5年前から続けている。小さな活動も集まれば大きな力になるって見せたいから。わたしたちはただの呼び掛け人。どんなステキな企画も「やろう!」と乗ってくれる仲間がいなければ絶対形にはならない。だからわたしたちは団体ではなく「ボランティアネットワーク」なんだ。
3年程前の主催イベント終了後、芝桜の会会長で釧路のまちづくりの親分、浜木義雅さんが、朝から雨となったその日、心配で会場に駆けつけてくれていたと聞き驚いた。
「行って何しようって訳じゃなかったのに大変だ!って思ってさ。着いたらちゃんとお客さんも来てたから安心して声かけないで帰ってきたんだ」。活動を始めてまだ数年のわたしたちが、無謀に色々挑戦できるのは、ヤキモキ見守ってくれるこんな頼もしい先輩たちがいるからだ。
この紙面を作っているのも記事だけじゃない。ネタを探す、紙面をデザインする、「鬼の校閲」、広告を集める、完成品をセッセと配る―そんな仲間たち皆が制作者だ。
「わたしなんて何にもできない」と弱音を吐いてしまった時、とある街のベテランさんに笑い飛ばされた。「あなたの特技は『お願い』。そして、なぜか周りに応える力のある人がいる。それはスゴイこと。あなたは何もしなくていい。お願いして、力のある人の背中を押す役なんだ」。
確かにわたしは今、スゴイ人に囲まれている。だから一人が心細い弱虫に変身してしまった。それは幸せなことナンダ。今は自信を持って言おう。「一人じゃなんにもできないモン!」。
(じゅう箱のスミ編集長・チャレンジ隊代表・佐竹直子)
Photo:わたしたちの大切な宝物「くしろゆび相撲」これも絶対に一人じゃデキナイ。
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