チャレンジ隊の人・声・街をつなぐ サクサク情報 おしょーゆマガジン

じゅう箱のスミ

2004.NOV

VOL.04


E-mail >HOMEじゅう箱のスミWebVOL.4>名人の引きだし

名人の引きだし

名人 File Number 004

ブーメラン名人

科学教育研究協議会北海道ブロック 長谷川直良さん

 はじまりは“種”だった。インドネシアに生息するアルソミトラという植物は、直系30cmの実から翼のついた400個もの種を放出する。その種は風に乗り、まるでグライダーのように1km以上も離れた土地へと飛んで行く。

その光景が長谷川名人の好奇心に火をつけた。本業は理科の先生。教科書には載っていない種の散布の仕組みを科学の目で探究しはじめた。

まず手掛けたのは紙ヒコーキ。
揚力、空気抵抗…。翼の微妙な大きさや角度で、想像以上の飛行距離・時間となる。それは子どもの遊びを越えた世界だ。名人の探究心は留まることを知らない。

次に手をつけたのがブーメラン。出勤の時にブーメランを飛ばしながら校庭を歩いてくる有名先生になった。「近くの公園で飛ばしていると、あっという間に子どもたちが集まってきます」。茶路小中学校で教員をする名人だから、子どもの扱いはおてのもの。

ヨーグルトについているスプーンを3枚、ポケットから取り出し、ホチキスで放射状につなぎ止め、あっという間に仕上げる。「そんなんで飛ぶの?」。一見無造作に見えるつくり。でも、魔法の指で羽根に微妙な角度をつけると…。名人の手を離れたブーメランはシュルシュルと回転しながら子どもたちの周りを1周して名人の手にもどる。子どもたちから歓声が上がる。今後の夢は「ハンググライダーをやって自分が紙ヒコーキになりたい」と、飛行博士は少年の顔になっていた。(酒田桜子)

Photo:子どもたちにスプーンブーメランづくりを教える名人


−VOL.04 表紙に戻る−
Copyright(c)2001-2005 Challenge Network Vollunteer Action All Rights Reserved.