チャレンジ隊の人・声・街をつなぐ サクサク情報 おしょーゆマガジン

じゅう箱のスミ

2004.SEP

VOL.03


E-mail >HOMEじゅう箱のスミWebVOL.3>ぐるっとエコランド

ぐるっとエコランド

この企画は、釧路湿原自然再生協議会事務局の提供で、チャレンジ隊がこのまちの自然を考えるコーナーです。

No.003 「水に優しく、もっと楽しく」

「釧路は、みんなこの釧路川の水を飲んでいるんだから、もっと水に関心を持ってほしい」。

カヌー連絡協議会会長の岩渕鉄男さん。カヌーを始めたのは今から18年ほど前。釧路湿原を国立公園にしようという運動で地域が盛りあがり始めた頃だが、カヌー利用者はまだわずか。今は、庭のような釧路川も「最初は恐くて、何度もひっくり返った」。

いろいろな川をカヌーで下ったがやっぱり釧路川は最高ですと岩渕さん

カヌー愛好者にとって釧路川の魅力は、何と言っても、途中にダムなどがなく、源流から下流まで一気に下ることができること。こうした川は、今では、全国でも稀少だ。

「源流域ではワイルドな流れの速さを、川幅が広がりゆったりとした流れになる湿原域では、じっくり自然の風景を楽しむことができ、一本の川で、違ったドラマを見ることができる」。

そんな“熱烈釧路川ファン”の岩渕さん。変わっていく自然の姿も見てきた。「かつての中州が、いつの間にか陸になっているのが目につく。土砂の流入のせいなのか。屈斜路湖から弟子屈までは今でも川底がはっきり見える程、水がきれい。そこを過ぎるとだんだん濁ってくる。生活排水など、人間生活が影響していることが分かるね」。

川をきれいに

カヌー連絡協議会では、5年程前から毎年、春と秋の2回、カヌーによる川清掃を行っている。始めた頃、集まったごみは、ナント大型トラックに山盛り1台。冷蔵庫に、洗濯機、ソファーなど、大型の家電製品や家具が、美しいはずの川の流れの中に“ドーン”と置き去りにされていたそう。

そうしたごみも最近、ぐっと減ってきた。自然を楽しむ人が増えてきたことで、保護やワイズユース(賢い利用)の考え方が、実体験から浸透してきたためではないかと、岩渕さんは考える。

「いくら規制、規制と言っても、なぜ守りたいのか、守らなければならないかを実感していなければ定着しない」。

湿原域をゆったりと流れる釧路川。その静けさに響く鳥たちのさえずりがくれる安らぎがいい。だから、釧路川を下り続けるという岩渕さん。「自然の尊さ、大切さは触れれば分かる」。

“楽しく"“優しく”、水と自然と交わりたい。

釧路湿原自然再生協議会では、釧路川の、自然と動植物に優しい利用を呼びかける「釧路川保全と利用のカヌーガイドライン」を作りました。
カヌー利用者に、タンチョウのヒナが成育する5月から8月の利用を配慮すること、動植物への影響を防ぐため、指定の発着場所以外での乗降や上陸を控えるなど、自然に“優しい"利用を呼びかけています。
事故防止に向け、「水温が低く、霧が発生した場合は気温が急激に下がる」「上流域は川幅が狭く倒木がある」などの注意事項も掲載。情報が一目で確認できるマップも添付した手のひらサイズの概要版と、A4版の小冊子を、釧路川流域の観光施設、行政機関などで無料配布中。

問い合わせ:釧路湿原自然再生協議会事務局 TEL.0154-23-1353

釧路湿原自然再生協議会 http://www.kushiro-wetland.jp/


−VOL.03 表紙に戻る−
Copyright(c)2001-2005 Challenge Network Vollunteer Action All Rights Reserved.