“じゅう箱記者”が追う、新聞記事のそれからの話し―「大きくなったな、背伸びたんじゃないか?」。そんな言葉に少し照れた様子を見せたのは光陽小五年・南優太君(11)。昨年11月に一日店員を務めた和商市場の魚屋「柿田商店」の店員さんとの久しぶりの再会だ。 「敬語の使い方が難しかった」。いつもは大人とも“タメぐち”。お客さんへの「どうもありがとうございます」の挨拶、普段の言葉使いがポロリと出て「ございます」をつけ忘れてしまうこともしばしばだった。でも、あれから言葉づかい、ちょっぴり気にするようになった、立ちっぱなしで足が痛かった、働くお父さんの大変さも「ちょっとだけ分かったかも」。 同店の柿田英樹さん(40)が「店には買う人だけじゃなく、売る人もいるんだ。今まで買う人の気持ちしか分かんなかっただろ」と再会した優太君の肩を叩くと、“コクン”とうなずく。 「今度は、それぞれの校区の商店街で体験してもらい、地域と子どもたち、家族をつなげる機会に育てたい」とは事業を主催した釧路市PTA連合会の奥平容三会長。 「和商の日」で賑わう3月の土曜日、5人家族で市場を訪れた優太君。普段お店に来ない若いお母さんたちが、子どもたちの「一日店員」を通し、足を運んでくれるようになった。新しい客層につなげたい、と柿田さんは意欲も見せる。 店の壁には、今まで1日店員に訪れた子供たちからの礼状が、お守りのように貼ってある。体験事業の裏側には、がんばる商店街の姿も見えた。(及川義教) |
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