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山の学校の会だより 第1号

ヒンズークシ山脈の山間にある小学校。生徒数は百五十人で先生は六人。生徒は近隣の村々から山路を何時間もかけて登校してくる。
今日は、一年生のゼケルラーが顔を真っ赤にして、息急切って学校に駆け込んできた。坊主頭に、桃のようなホッペ。かわいい頬が傷だらけなのは、木の上で胡桃をとっていたからだという。

子供たちの朝は早い。ゼケルラーも五時には起きて、羊や牛を連れて放牧に出る。険しい山の斜面をわずかの草を求めて移動する。いつもは朝食の準備が終わってからすぐ交替に来てくれるお母さんが今朝は遅れて、少し慌てた。家で朝食をかきこむなり、家を飛び出した。

子供たちは、同年代の仲間たちと一緒に新しい知識を吸収できる学校が楽しくてたまらない。でも、家族に病人が出たり、農繁期で忙しくなると学校を休むしかない。それでも、授業を受ける時は真剣だ。教科書が三人に一冊しかなくても、鉛筆がちびていても気にしない。授業は国語、算数、宗教…ゼケルラーが好きなのは体育だ。昨年、支援の会がサッカーボールを届けてくれたが、山に囲まれた学校には運動場がないから、岩だらけの道でボールを追いかけた。

山間の生活は厳しい。川で泳いでいて、落石で足を切断した同級生もいるし、薪を拾っていて、戦争中に敷設された地雷を踏んだ用務員のおじさんもいる。それでも、子供たちが生まれた村が大好きだ。

そんな子供たちがそれぞれの夢に向かって羽ばたけるようにと私たちは支援の会を設立した。その報告を続けていければと思う。

長倉洋海


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