「じゅう箱のスミ」は今号から紙面も一新、新しいスタートだ。ページも12頁に拡大し、季刊誌に。街の宝物が詰まってるんだもん。「また読み返したい」、そう思ってもらえるような、本棚の似合うフリーペーパーづくりへの挑戦だ。
創刊以来ご協力頂いていた新聞折込は休止した。「転職」という、わたしの極めて個人的な事情のためだ。この情報誌は多くの市民活動の仲間たちとゼロから一緒に作ってきた。その配布の大きなルートが、わたしの都合で失われる。人生の転機を決断する一番のネックとなったのは「じゅう箱のスミ」だった。
ところが、仲間たちは「どうにかなるって!」と、いともあっさりとわたしの転機を引き受けてくれた。早々に、自分の職場に「協力依頼書」を提出し、職場のネットワークを利用した配布システムを作ってくれた仲間もいる。「若者にこそ読ませたい。学内でも配りましょう!」と、わたしの手を力強く握ってくれた釧路短期大学の先生たち。
以前、「取材される人」として紙面に登場した音別の平山商会さんは今号から、なんとお仕事のガス検針の際に、じゅうスミをポスティングしてくれる。これで音別地区のほぼ全世帯が網羅される。病のために現在、職には就かずリハビリ中の青年が、公共施設や協力店などへの持ち込みを担当。社会復帰への一歩にもなるといいなぁ。もはや新配布システムは、わたしの転職ばなしはそっちの気。みんなのやる気をつなぐ新しいネットワークへと広がっている。
創刊以来、全支店窓口に置いてくれている釧路信金さん。約1600人の会員に、毎号を配布してくれている「くしろ演劇みたい会」のみなさん。そしてたくさんの市民活動の仲間たちが、「活動先でじゅうスミを配ろう!」と手をあげてくれた。「街のスミの小さなやる気を掘り起こしたい!」と意気揚々と呼びかけておきながら、かなり弱気になっていたわたしに、「全然平気!」「まだまだ限界じゃないよ」とハッパをかけてくれたのも、街のスミで出会ってきた仲間たちだった。
リニューアル第1号のテーマは「限界への挑戦」。全取材を終えて今、分かったことは、「限界」なんてそう簡単にやってこないってことだ。
(じゅう箱のスミ編集長・チャレンジ隊代表・佐竹直子)
今号の特集記事の撮影現場。高所作業中の有明さんを、命綱を装着し、身を乗り出してねらうじゅうスミカメラマン。取材の限界にバリバリと挑戦だぜ!!
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