この企画は、釧路湿原自然再生協議会事務局の提供で、チャレンジ隊がこのまちの自然を考えるコーナーです。 |
「ここが僕たちの聖地。自転車から、体で湿原の風と上昇気流を感じるんです」
釧路湿原東部を一望する「夢が丘展望台」。自転車のサドルにまたがりながら、とっておきの宝物を自慢するように笑う。沢田正雄さん(50)=釧路市在住=。1998年に、マウンテンバイクで釧路湿原周辺を走る「釧路湿原MTBクラブ」を発足した。
湿原に隣接する鶴居村出身。でも自然に興味を持ったことはなかった。身近な生き物といえば、カラス、スズメ、牛。それしか名前は浮かばなかった。湿原は「何の役にも立たない『やち』」と思っていた。
1987年、釧路湿原が国立公園に指定された。「どういうこと?」調べてみると、『やち』に貴重な動植物が生息していることが分かった。「その中で育ったのに、自分は湿原のことを説明することができない」。恥ずかしく思った。
「湿原を語れる男になりたい」。釧路湿原国立公園ボランティアレンジャーの会に入った。知り合った環境省職員から、野山をかけるための自転車=マウンテンバイクの存在を教えられた。
今回は、じゅうスミ編集部も、沢田さんの案内で、マウンテンバイクで夢が丘展望台までのツアーに挑戦。標茶町塘路近郊の山林からスタート。舗装されてない道路では地面の起伏や、土砂の流出で大きくえぐれた斜面を体で感じる。アップダウンの多い山道は、ちょっときついが、森の香りが体にしみこみ心地よい。汗もたっぷりかいた頃、目の前に突如広がる夢が丘からの展望に、思わず「すっげー」と声をあげてしまう。
沢田さんは、年間30回以上は湿原を自転車で走る。毎年5月には、釧路川上流から宮島岬までの100キロを1日で走り抜ける「湿原一周ツアー」にチャレンジする。
「ほれているのは、タイヤから体に伝わる自然。冬道も走ります。やちぼうずが、去年より1センチのびたな、ハンノキが急に増えてきたのは湿原が乾燥してきたからか?湿原の変化も自然に実感していきます。じゃぁ、わたしたちに何ができるのか。体で湿原を感じることで、それを考えてほしいです」
すぐそこにある自然、あなたは体で感じていますかー。
*釧路湿原MTBクラブでは新会員受け付け中。湿原ツアーの相談にも応じています。
問い合わせは 沢田さん TEL. 0154-36-1428
地域のみなさんの、湿原にかかわる取り組みを登録しています。随時、新規の申し込み受付中。
釧路湿原MTBクラブの活動も登録されています。問い合わせは TEL. 0154-56-4646
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