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【VOL.11】 木が成長していく姿を見ていたい!!


「木が成長していく姿を見ていたい」
  「子どもと同じサ」


 カミネッコンって知ってる?木を育てる不思議な六角形のハコ。このハコで、石炭クズの山、ズリ山に緑を戻そうと活動する夢の森クラブの植樹会で出会ったスミな人、工藤悦子さん(61)と、大崎芳さん(81)。植樹した後の苗木の成長ぶりが心配で、もう5年もせっせとズリ山に通い続けている。そういえば、あちこちで行われる植樹会。楽しく植えたアナタ、あの木がちゃんと育っているか気にしたことあった?忘れちゃってなかったカナ、あの木のこと―。



ズリ山の管理人

 6月6日、日曜日。真っ青な青空の「植樹日和」。この会では、毎年、春と秋の2回、ズリ山で植樹を行っている。風の強い急斜面、しかも地中には石炭クズが広がるから、成長ぶりが心配されてきた。今年は、1メートル余りの“若木”になった姿を、だいぶ見ることができ、一同、感激!

 大きくなれたのには訳がある。土と肥料だけじゃない。せっせと山に通い、苗木たちに声をかけ続ける、太陽みたいな笑顔があるからだ。
 この名コンビは、白樺台に住む大崎さんと、桜ヶ岡に住む工藤さん。会のみんなから「ズリ山の管理人」と言われる程、植樹の後も、ず―っと山に通い詰め、苗木を見守っている。

 そもそも「野草好き」の工藤さん。ズリ山周辺の山々は格好の散歩コースだ。加えて“植樹好き”。植樹会の案内を見つけては、市内中、はたまた管内の町村まで足をのばし参加する。でも、不満が残った。苗木の成長を見守り続けることができないからだ。
植樹って



置いていくだけ?

 「遠い場所だと、なかなか見に行けない。植樹会って、置いていくだけでその後は見もしない人、多いけど、わたしは、成長していく姿を見ていたい。近所のズリ山での植樹の話しを聞いて、これだ!って飛びついたの」(工藤さん)。

 相棒、大崎さんは、とても82歳とは思えない軽い足取りで、シャッシャッと山の斜面を歩く。白樺台の自宅から歩いて山に通ってくる。今年は、エゾシカの食害が出た。「オイ、ちゃんと生きてたかっ」と、一本ずつに声をかけながら確認していく。「自分で植えたんだから、大きくなってほしいじゃない。子どもと同じサ」。



愛情を「根性」に!

 この名コンビ、苗木の世話だけじゃない。桜ヶ岡の土手からズリ山にかけて咲くたくさんの野草たちも、会の仲間に紹介したいと、リスト作りに挑戦した。一つずつ数えた、数えた…その種類。ハクサンチドリに、クモキリソウ、ヨモギにセイタカスズムシソウと100種を越えた。2人が野草への愛情を「根性」に変えて作ったリストは、今や会の貴重な資料だ。

 「この山の木からわき水が出て、沢に流れ、春採湖にたどりつくと聞きました。ここに森ができたら、春採湖の水もきれいになるんじゃないかな―って思うです」そう話す工藤さんの笑顔は、苗木をあったか―く包み込む山の太陽だった。



カミネッコンってなに?

 再生ダンボール製の六角形の箱に、水で濡らした新聞紙などの紙くずを詰めこむ。中央に土と苗木を入れて、植えたい場所にポンと置くだけ。雑草や風から苗を守り、やがてハコはあとかたもなく消え、木だけが残るという、紙くずを自然に戻す運動でもある。

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