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【VOL.46】 ゆったりはらっぱ編・“ゆったり”子育てを応援


 「さあ、壊してもいいよ!」というかけ声で、男の子たちが積み木で作った大きなワニを思いっきりけっ飛ばしガシャガシャと崩していく。家ではママに怒られてしまいそうなこんな遊びを許してくれる遊び場が、釧路市緑ヶ岡の住宅街にある。絵本と積み木がいっぱい詰まったこの小さな小屋の名前は「ゆったりはらっぱ」。子どもたちに「ゆったり」遊べる場を、お母さんたちには「ゆったり」子どもたちを待てる空間をプレゼントしたい―。そんな思いから生まれた優しい原っぱだ。


ずらっと絵本1500冊



 20畳ほどの部屋にずらっと並んだ絵本は1500冊余り。子ども時代に馴染んだ懐かしい表紙に、取材班も思わず声をあげ駆け寄る。そしてたっくさんの積み木。小さな木のボールを部屋中にばらまいても誰も怒らない。子どももお母さんもみんな、夢中で積み木と絵本の世界に入り込む。
 「お母さんたちとどんな絵本がいいだろう、積み木で何を作ろうか―って考えることはあくまでも切り口。その後の『実はうちの子まだこれができなくて…』ってお母さんたちから出てくる相談こそが、ここの役目なんです」と小屋の主、櫛部あつ子さん(54)。

物置を「はらっぱ」に



 20年余り共同保育所で働き母子を見守ってきた実感から、2002年自宅横の物置を改築し、「ゆったりはらっぱ」を一人で始めた。
 毎週月曜日と金曜日の午前10時から午後5時まで、この「はらっぱ」を親子連れに開放している。取材班が訪ねたのは「積み木遊び」の土曜日の昼下がり。小さな部屋はあっという間に10人以上の親子連れでいっぱいだ。よく見ていると、お母さんたちが、だんだんホッとした顔になってくる。
 「あの子はもう首が座っているのにうちの子はまだ―と、お母さんたちはすぐに比べてしまう。1日や1週間のズレが心配で許せなくなる。そして必要以上に怒ったり手をあげてしまったりってことも多いんですよ。親に相談すると『そんなこと何でもない!』ってあしらわれるでしょ(笑)。話を黙って聞いてくれる第三者が子育てには必要なんです。駆け込み寺みたいな居場所がね」。
 読み聞かせは“宅配”もする。小屋の壁に貼られた写真の中には、赤ちゃんと一緒にじっとお話しに耳を傾ける家族の姿もある。

いっしょに泣いたり、笑ったり



 「親子で一緒に絵本をのぞいて、一緒に泣いたり笑ったりするだけでいい。検診でお医者さんに『もっと一緒に遊んであげて下さい』って言われても何していいか分からないでしょ。絵本なら誰でも読めるから」。
 20年余りを母子を見守り続ける櫛部さんが見つけた「自分にできること」は、「親子が一緒に育つお手伝い」だ。



 

絵本でゆったり!


 「ゆったりはらっぱ」の利用は年会費1000円の会員で1回1家族100円、非会員で1家族200円で遊び放題。お弁当持参で1日ゆっくり過ごす人も多いそう。絵本や積み木を通してお母さんが優しい気持ちで子育てするための「ゆったり子育て講座」の実行委員でもあり、現在、2005年度の年6回の講座の受講生を募集中。問い合わせは櫛部さん090―8901―0602へ
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