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【VOL.34】 城山達人倶楽部編・“達人”が集まる元気な街に!!


 「さぁ、やりますか!」。いきなりザクザク野菜を切る。エッ、説明とかないの?そんな調子で始まる城山達人倶楽部の「漬け物講座」。達人の長年の“勘”を学ぼうという講座だけど、参加者はベテラン主婦が中心。「習う必要ないんじゃない?」と思ったけれどイヤ、違う。山盛り野菜を前にみんな笑顔。塩を握る手もなんだか軽やか。きっと昔は、こんな風にご近所がワイワイ樽を並べて漬ける光景が普通だったんだろうなぁ。ここは、最近めっきり見られなくなったそんなたまり場を再現しようっていう、あったか―い達人たちの倶楽部なんだ。



発端は宅配サービス



 「わたしなんかより、きっとみなさんの方が達人だワ」。
 そう言いながらも参加者を前に手際よく野菜を切り樽に詰める漬け物達人坂井千恵子さん(69)。
 11月21日、城山工房に18人の受講生が集まった。主婦を中心に夫婦連れ、30代の男性や城山以外の地域からの参加者も。坂井家自慢のキャベツと白菜の海鮮漬けに挑戦!
 城山達人倶楽部は、釧路市の城山商店街振興組合(渡辺武郎理事長)が3年前に設立。大型店の進出で地域商店街から客足が遠のいていく中、地域ならではの個性をと商店街で始めた宅配サービスが発端だ。

雪かきからDJまで



 高齢化が進む城山地区。商品を届けるだけじゃなく、雪かきや料理なども出前するような活動があったらお年寄りの暮らしの役に立てるんじゃないか―という、実用的なサービス事業の構想が始まりだ。
 企画のユニークさが注目され、現在までに達人の登録は囲碁、将棋、大工、カクテルやDJまで約60人と予想を超えて広がった。これまで開かれた講座は、そば打ち、ザンギづくり、キムチに利き酒など幅広い。地域のお祭りでは、けん玉、似顔絵、お手玉など遊びの達人も活躍中だ。地域外からの登録者も増え“城山の仲間”に新しいネットワークが思いがけず広がってきたそう。
 一樽をあっという間に漬け込む漬け物達人坂井さん。「昔はいっぱい漬けたけどね。今は一人暮らしだからそんなに漬けません。教える程の腕はないけど、みんなでやると楽しいね」。樽を前に賑わう工房に嬉しそうだ。
 参加者の一人、ベテラン主婦の久保田桂子さん(51)も「家でも漬けますけど塩加減が難しくて。参考になったし面白かった」と和気あいあい。

人が集まる場所づくり




 「店も減ったし元気がない街だって言われたら悔しい。商売って人が集まる場所じゃないとできないからね。まずは人が集まりたいと思う街にしなきゃ」と商店街の専務理事でもある達人倶楽部の小林友幸事務局長。
 坂井達人を囲んでみんなで漬けた海鮮漬けは一週間後が味見の解禁日。アツイ商店街の粋な心意気がきっと隠し味だ。


*城山商店街達人倶楽部への問い合わせは42―2655へ。
 
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